人格者

今朝、クライアントへ打ち合わせにお邪魔した際、こんなことがありました。

重要な書類とデータを用意するはずだった担当者から、急な熱が出て出社できないとの連絡が入ったのです。

「オマエ、なにやってんだ!! 葛西さんにわざわざ来てもらってんだぞー!!」

大声で部下を叱っていらっしゃるのを、横から電話を奪いとり「オレだったら、また来るから大丈夫!」と声を掛けると、

上司の方は私に深々と一礼をしながら

「解った・・・で、大丈夫か? 仕事のことは心配せんでいいからゆっくり休んで直せよ」と優しく言葉を添えて電話をお切りになりました。


普段から「人格者だなあ」と思っていた上司の方でしたが、やはり間違いではなかったなあ・・・と感じたものでした。

私に対する申し訳なさを前面に押し出しながらも、部下の身体を気遣うお気持ちに、一時間ほどの道のりを無駄足を踏んでしまったという、そんな気持ちをまったく感じること無く、楽しく世間話をして帰ってきたのでした。


人格者とは、なにか問題が発生した時、いかに適切な判断をすることができるのか?ということでもあると思いますが、迷惑を掛ける相手の気持ちも考慮しながら、部下の身体を案ずるということはなかなか難しいものです。

うっかりすれば、この場合私が怒り出す可能性もある訳で、まずは私に対する詫びの気持ちを最大限に表現するために、部下を大声でお叱りになったのであり、

本当は部下の身を案じていらっしゃるんだろうなぁ?という、暖かい気持ちにあふれていました。

きっと部下の方も、最初から身体を心配されたならば、「申し訳ない」という気持ちが更に大きくなったところを、最初に大声で怒鳴られたことにより、かえって安心してゆっくり休めるのではないだろうか?と感じ、

あらためて、この上司の方の対応に関心してしまったオヤジなのでした。