罠にはまる

他人の態度や言動が妙に気になったり、
マナーやモラルに対してイライラしたり
怒ったりすることがありませんか?

私の知人には、精神的なことやマナーについて
とても詳しく、厳しい方が沢山いらっしゃいますし、
ひょっとしたら、私もその一人なのかもしれませんが、

「相手の立場になって、言動を慎まなければならない」

「不平不満を口にしてはならない」

「陰口は言ってはならない」

「常に感謝の心を持たなければならない」等々、

そんな「・・・なければならない」の積み重ねが、
きっと、他人への不満に拍車をかけるのでしょう。

おかしなもので、マナーやらモラルなどを学んだり、
精神世界や自己啓発本などを読めば読むほどに、
なおさら人に対してのイライラがつのるばかりです。

本来、それらの勉強というものは
「人に対して寛容になるため」の学びである筈が、

知らず知らずの内に、巧妙な罠にはまり、
自分が学んだことを、人に強要してしまうといった
間違った方向に向かう危険性があるんですね。

人は完璧になどなれる筈がありませんから、
常に欠点や弱さがつきまとうものです。

だからこそ、学ぶということは
その弱点に「気付く」ことなのだと思うのです。

「知る」ということは自分のためであり、
決して他人を変えるためのものでも
強要するものではない筈です。

他人に対して気になる部分を見る時には、
イライラさせる相手に照準を定めるのではなく、

自分自身の内にある「それを許せない」とする
心の未熟さに気付き、それを「治める」ことが、
本来もっとも必要なことなのではないのか?

なんて・・・

偉そうなことを書きながら、
まだまだ、未熟さの固まりのような気がするオヤジです。