猫に小判

モノに対する価値観なんてものは
それを受け止める人によって大きく変わるものです。

先日お客様がお見えになった時
木箱に納まった素敵な日本酒を頂戴しました。

酒を飲まない訳でもありませんが
どちらかと言えば甘党オヤジなものですから、

誰か酒好きな奴が来たら飲ませてあげようと
しばらく置きっぱなしにしていたところ

昨夜、家内がキッチンで調理中
「料理酒が切れてる!」と騒ぐのを聞き

「酒ならもらったのがあるじゃねえか」と
いただいた酒を取り出すと、

「そんな上等なお酒を使っちゃっていいの?」
と言いながらも

「ラッキー!」と封を切ってしまいました。


あとでネットで調べてみたら
なにやら大吟醸の銘酒とのことで

2万円以上するお酒だったんですね。
アララ、もったいない ^ ^;;


モノに対する価値感や思い入れというものは、
人それぞれで全然ちがいますから

どんなに価値あるワインやお酒であっても、
アホなオッサンの手に渡ってしまえば

まさに、猫に小判的な不当な扱いをされて、

銘酒と呼ばれる酒が料理酒として

調味料と肩を並べるという悲劇を生むのです。


たとえば、素晴らしい巨匠の名画であっても
それに価値を見いだせない人にとっては、
ただの落書きにしか見えない場合もある訳で

実際のところ

すべてのモノには価値があると言える一方で、
すべてのモノには価値などないとも言えます。

本来は「自分自身が、何に価値を見いだすのか」
ということのみが重要であり、

世の中の多数の人が「価値がある」と言うから
自分もその価値を感じるというのではなく、

周囲に影響されず、自分自身の価値観
すなわち、自分の尺度で生きることができたら

きっと心豊かな毎日を過ごせるのではないかと思う
いい加減なオヤジです。