ドラマの主人公

出張先で入った定食屋さんでの出来事。

胸に名札をつけた若い店員さんが接客をしてくれました。

名札を付けた店員が他には見当たらなかったので

新人研修中だったのかも知れませんが、

その店員さんは笑顔がとても素敵な好青年でした。


メニューがあまりに沢山あったのと、

どれも美味しそうだったので

「オススメはあるの?」と尋ねたら

「今日は○○がオススメです」

と答えてくれたんです。



ところが、そのオススメが私の苦手な魚だったので

「残念・・・オレ、苦手なんだよなぁ ^ ^;;

ちなみに○○くんは、店で何が一番好きなの?」

と、彼の胸にあった名前を呼んで尋ねたのです。



すると突然、タダの店員さんであった彼の顔が

店員としてではなく、一人の青年に変化したんです。

「そうですねぇ・・・僕は○○が好きかなぁ?」


そう答えた彼に

「じゃあ、オレもそれ食べたいな ^ ^」と笑うと

笑顔で厨房に戻って行きました。



帰りにレジで清算していると、

少し離れたところで、見ている彼に気付いたので

手招きして呼び寄せ

「ありがとな・・・美味かったわ 」と笑うと

「良かったぁ!!」と嬉しそうな顔をした彼に、

「バイトなの?」と尋ねたら

大学生でバイトをしているとのこと。


「勉強もバイトも頑張れよー!!」

と声をかけながら店を出ましたが、


深々と頭を下げながら見送ってくれた彼を、

「どうかお守りください」と神様にお願いしながら

帰路につきました。


仕事やプライベートで一歩外に出ると、

コンビニの店員さん

ショップの店員さん

レストランや喫茶店の

ウェイターやウェイトレスさん

道路やビルの清掃員さん

その他、毎日いろんな方たちと

なにげなく接触する機会があります。

自分が毎日必死で仕事をしているように、

誰もが頑張って仕事をなさっています。

時折、色んな場面で出会った人に

仕事の顔ではなく、プライベートの顔を

想像してしまうことがありますが、

みんなそれぞれの立場や境遇で

いろんなドラマの主人公として生きています。

そんな人たちとの毎日の偶然の接触は、

いつの日か、大切な出会いに結びつけるために

神様がすれ違わせて下さったのかもしれません。

だから、ほんの小さなすれ違いにおいて、

相手と自分の立場を超えて、

一人の人間として接することができれば、

きっと素敵な出会いになるだろうなぁと

ふと感じたオヤジなのでした。