最上のわざ

昨夜、映画「ツナグ」を観ました。

題名の「ツナグ」とは、
亡くなった人との再会をの仲立ちをする使者のこと。
たった一度だけ、死者との再会を叶える案内人です。

映画の内容はさておき、
登場する樹々希林さんが、映画の中で口ずさむ言葉、
そしてエンディングで流れる詩が
ヘルマン・ホイヴェルス神父の詩だったことに驚きました。

ご存じない方に、是非知っていただきたいと願い、
この詩をご紹介させていただきます。

『最上のわざ』

この世の最上のわざとは何?

楽しい心で年をとり
働きたいけれども休み
しゃべりたいけれども黙り
失望しそうな時に希望し
従順におのれの十字架を担う

若者が元気いっぱいで神の道を歩むのを見ても
ねたまず
人のために働くよりも、謙遜に人の世話になり
弱って、もはや人の為に役にたたずとも
親切で柔和であること

老いの重荷は神の賜物
古びた心で最後の磨きをかける
まことのふるさとへ行くために

おのれをこの世につなぐ鎖を
少しずつ外していくのは、まことにえらい仕事

こうして何も出来なくなれば、
それを謙遜に承諾するのだ

神は最後に一番良い仕事を残して下さる

それは祈りだ。

手は何も出来ないけれど、最後まで合掌できる

愛の恵を求めるために、すべてを成し終えたら
臨終の床に神の声を聞くだろう

「来よ、わが友よ、汝を見捨てじ」と。

作者 ヘルマン・ホイヴェルス