現在地を知る

数年前から、セミナーやら勉強会で、盛んに「夢の実現法」や「成功法則」を学ぶ皆さんが増えていらっしゃいます。

それは何ら悪いことではなく、とても素敵なことだと思います。

斯く言う私も、そんな類いのことを、良くお話ししてる講師の一人ですから、それにケチを付ける訳にはいかないのですが、
ただ・・・・ひとつだけ、皆さんがそんなことを学ぶ前に考えていただかなければならないことがあるのです。

「夢」や「成功」を掴むということ、
それは、ある意味「目的地にどうやって辿り着くか?」と同じことです。

近頃は便利なカーナビなどもあり、初めての場所でも迷わずに行けるのですが、人生には残念ながらナビゲーションシステムは装備されていませんから、人は常に迷い続けるんです。

例えば、初めて向かう目的地。
これを「夢や成功」に置き換えてみたらどうしょう。

道に迷ったので、その場所のことを良く知る人に、電話を掛けて目的地までの道順を尋ねたと仮定すれば、(これはセミナーや勉強会の講師の話に置き換えられます)
その人が、まず何を言うか想像してみてください。

間違いなく「今、アナタどこに居るの?」と尋ねる筈です。


実は「目的地に向かう」ということの前段階には、必ず「現在地」が必要なんです。

自分が今どこに居るのか解らないのに、やみくもに目的地までの道順を聞こうとしても無理な話で、自分自身の現在地や心の内側を見ようとしなければ、夢や成功について、どんなに素晴らしい話を聴いたところで、なんの意味もないのです。

人はそれぞれに、置かれている立場や状況が異なります。

目的地は同じでも、すべての人の現在地が違うのです。

セミナーや勉強会での話をどう受け止め、そしてどのように素敵な未来へ方向転換して行くのかは、現在地を知る自分自身でなければ決められない筈なんだけどなぁ・・・と、ふと思った今朝のオヤジです。

スマホのルール

「最近は仕事中にスマホをいじったり、会議中でも平気で携帯の着信音を鳴らしたり、掛かって来た電話を平気で受ける社員が居て、いったいナニを考えてるのか解らない」と、ある会社の経営陣が嘆きます。


確かに以前はオフィス内や、まして会議中など、携帯の着信をバイブにするとか、オフにするというのが常識だったのですが、
現在では、携帯はプライベートだけではなく、お客様との連絡手段となっていることも多く、ビジネスとプライベートとの区別がつかなくなっているのが現状です。


確かに経営陣が嘆くように、それが果たして仕事に必要な電話なのか?ということは、私には知る由もありませんが、
業務中に携帯やスマホの使用を、どう制限するのかということは難しい問題です。

「業務中の携帯使用は禁止するのが常識でしょう」とおっしゃる方もいれば、

「今はそんなことを言う時代じゃないでしょう」と笑われる方もいらっしゃいます。

私が思うには、こんな時代だからこそ、モバイル機器の使用を制限するのではなく、それを有効に使用するためのルールを、職場内で決めてはどうだろうかと思います。

事務系の社員にとってみれば、仕事上携帯がそれほど必要ではないでしょうが、外回りの営業マンなどにとっては、お客様とので連絡手段として不可欠なものです。

ですから、ルールづくりというものは、上からの画一的な業務命令ではなく、社員同士が相互間で適切な使用方法を話し合い、互いに納得のいくルールを決めるのがもっとも理想的ではないかと感じます。

通常は「みんなが使ってるんだから、私もいいか」という程度のレベルでみんなが使ってる訳ですから、真剣に「携帯やスマホが必要なシーンとは?」ということを社員同士が話し合うことで、社内での適切な使用ルールが決定する筈です。


アレが悪い、コレが悪いと叱るのではなく、適切なルールを自ら決めさせることが、一番の解決策だと思うオヤジなのでした。

ポジティブ

私がお付き合いさせていただいている経営者の方々の中には、それはもう「超」が付くほどにポジティブな社長がいらっしゃいます。

それは、とても良いことなのでしょうが、反面、度を超したポジティブさというものは、問題を引き起こす原因ともなりそうです。


実は、そんな経営者が率いる会社には、何故かネガティブ思考な社員が多く、中には、経営者の奥様が鬱病だったり、お子さんが引き蘢りであるという現実を見たりするのです。


「類は友を呼ぶ」という言葉のごとく、まさに、プラス思考の人間には同じようにな友が集まるものですが、それは、価値観やモノの考え方が似た仲間を引き寄せるという類いのものであり、実際のところ、あくまでも「仲間」や「友」という部類であって、どうやら「家族」や「社員」では無いようです。


人は誰でも波動というものを持っていますが、その波動というエネルギーは、個人で存在する場合は大きい方が良いのでしょうが、会社や家庭という、ある意味「運命共同体」とも言うべき集団の中では弊害を引き起こす原因になりそうです。


エネルギーというものは、プラスとマイナスの量が等しくなることで初めて力を発揮するものであり、ポジティブという思考エネルギーは、ネガティブのエネルギーと等しくなることで均等を保とうとします。

すなわち、ポジティブな人間が居れば、同じだけのネガティブな人間が存在しなければ共同体は成り立たないのです。

権力を持つ者が、スーパーポジティブであるという会社や家庭という「逃げられない集団」の場合、プラスのエネルギーが増大するばかりでは暴走する危険性があり、誰かがネガティブにならない限り集団のバランスが保てないことから

社員や家族がその役割を担って、マイナスエネルギーを抱えてしまうのでは?などと想像してみたりしています。


人というのは、誰かとの関係性の中でポジティブにもネガティブにもなれるものです。

私の知る限りでは、ポジティブシンキングである人のほとんどがネガティブ思考を「悪」と捉え、ものごとを必死で良い方向に考えることで、自分が抱えそうになる不安を打ち消そうとしてるように思えてなりません。

そして、その結果、自分以外の人たちの弱さや苦しみを否定したり、弱さと闘っている人たちを拒絶してしまいます。

私が敬愛する、人生の先輩諸氏に共通することは「受け入れる」という姿勢です。

「なるようにしかならないから、努力しましょう」と、常にありのままを受け入れ、その中で自分のできる最大限の努力をなさいます。

人間も、地球と大自然の一部なんです。

必死で反発しようと感情を抑制したってどうにもなるものではありません。

素直に、あるがままを受け入れることも、時には大切なことではないのかな?なんて思うオヤジです。