イエス・・・アンド

「あの人には何を言っても仕方ないですから」

あるショップのスタッフたちが、

リーダーに関して語った言葉です。


確かにそういう人って存在しますから

あえて否定はしませんが、

果たして「何を言っても・・・」という時、

どんな感じで言っているんでしょうね?


ひょっとしたら、相手に対して

「批判的」ではありませんか?

「攻撃的」ではありませんか?

「自分目線」で言ってませんか?


人に意見を言う時に効果的だと言われるのが

「イエス・・・バット」の方法です。

まず相手の意見を肯定してから

自分の意見を述べる方法ですね。

ところが・・・

実はこの方法にも欠点があって、

よほど上手に自分の意見を述べなければ、

批判的に聞こえてしまう場合が多いのです。


だから、下手に使うと

相手はさらに頑なになってしまいます。


そこで、私がお勧めしたいのが

「イエス・・・アンド」の方法です。

「それはいいですねぇ!! 

じゃあ、こういうのも一緒にどうでしょう」と

まず肯定してから、自分の意見を上乗せするのです。

言われた方は自分の意見を肯定されているため、

その後は、相手の意見を聞く耳を持てるのです。



自分の意見を言う場合は、

実は「何を言うのか」ということよりも、

相手に「どう聞こえるのか?」ということが

コミュニケーションでは重要なことなのです。

批判的でなく・・・攻撃的でもなく、

自分の意見の上乗せと感じさせることができれば

人はすんなりと受け入れるものです。


手強い相手には「イエス・・・アンド・・・」

という方法を使ってみてはいかがかな?

なんて思ったオヤジなのでした。

「アイツは使えない」は諸刃の剣

あるクライアントの会社で

打ち合わせをしていた際の出来事です。

担当者の若者が席を立った際に、

「・・・ったく、使えないヤツでして」と

上司の方がおっしゃいましたが、

いったい、どういう意味で出た言葉なのかな?

と、ふと疑問に感じてしまいました。


私に対しての申し訳なさから発せられ

ある種の「社交辞令」であるならば、

その気持ちは有り難いものでありますが、

本心でおっしゃっているのなら、

それは問題発言ではないのかな?と

思ってしまったのです。


いろんな言い方はありますが、

誰かのことを「アイツは使えない」という

類いの言葉として発する場合、

その多くは

「自分にはあの人を使いこなすだけの能力がない」

と白状してることと

なんら変わりがないような気がします。


自分の思い通りに他人が動く筈もありませんが、

しかしながら、職場ではそれをある程度は

動くように仕向ける能力が問われるのが現実です。

そんな場合に出て来る言葉が

「アイツは使えない」なんですが・・・

その言葉って「諸刃の剣」じゃないのかな?

なんて思ってしまうのです。



実際のところ「使えない」んじゃなくて

そう言う方に限って「使いこなせていない」

というのが、正直な感想です。

他人を「使う」という気持ちがある限り、

決して動かせるものではありません。

社内はもちろん、世間での肩書きを外せば

みんなタダの「個人」です。

常に自分の立場や肩書きに依存なさってる方は、

それを外して「個」として誰かと対峙した場合に、

往々にして無力であるという方が

多いように見受けられます。



上司であれ部下であれ、お互い人間同士です。

社内では、それをうっかり忘れがちになりますが、

上下関係を外した「個」としての人間関係、

人と人としてのコミュニケーションを

いかに上手くとれるのかが、

「人を動かす」のではなく、

「人が動くように仕向ける」


という能力なんじゃないのかな?

そんなことを、ふと思ったオヤジなのでした。