すべての人は会社の経営者

セミナーに、主婦やOLの方がおいで下さいました。

「ビジネスとコミュニケーション術」に関する内容でしたが、参加者の皆様の殆どが経営者の方々だったので、そのご婦人たち、自分が場違いなセミナーに来たと少々困っていらっしゃる様子でしたから

「いやいや、女性の皆さん全然ご心配なく。主婦やOLの皆さんにも大いに関係ある話です」と、笑ったのでした。


ビジネスに関するセミナーや勉強会を開催すると、どうしても「経営者や起業家」が対象だと皆さんが解釈なさるようですが、
実は、会社を経営することと人の生き方とは、基本的には同じことであるということを皆さんに理解していただきたいと思います。


例えば、会社というものを自分自身に置き換えて、一度考えてみて下さい。

会社でいうところの「帳簿」というのが、個人で言えば「家計簿」に当たりますね。

損益勘定というややこしい経理も、個人の生活では単純に言えば、給料で生活して幾ら残るか?ってだけの話です。

原材料や人件費などをいかに抑えて利益を出すか?という、経営の基盤と言うものも、
ローンがなんぼあって、食費がなんぼ。
節電したり、だんなの小遣い減らしたりせにゃ、やっとられませんわ・・・という、当たり前に家庭でやってることと大差ありません。(なんてことを言うと、税理士さんに叱られる ^ ^)


ただ・・・これだけでは単にお金の計算で終わってしまいますが、本当に重要なのは「経営理念」というものなのです。

会社では「商品」というものを売っていますが、個人に置き換えてみれば、売るものとは「自分」という人間なんです。

会社では商品の「品質」を上げるために、日々研究や品質管理ということをしますが、個人においては、自分の「人格」や「人間性」を向上させるための努力を怠らないことが必要です。

そして会社では商品を売るために、さまざまな「宣伝」や「販売戦略」を行うのですが、個人において、それに当たるものとは、生活の中での、人との「コミュニケーション」なのです。


すなわち「経営理念」とは「人の生き方」であり、
「商品」=「自分自身」
「商品の研究や品質管理」=「自分自身の人格向上」
「販売戦略」=「人とのコミュニケーション」

そう考えてみると、すべての人はそれぞれに「自分」という会社の経営者なのです。

すべての人が「自分」という会社の経営者としての、自覚を持つことも必要ではないのかな? なんて、ふと思ったオヤジなのでした。

ことなかれ主義

ここ数年ご無沙汰していた知人から、突然電話をもらいました。

聞く所によると、会社のリストラ候補にあがったらしく、肩叩きをされたので転職先を探しているとのこと。

私の取引先の中堅企業に勤務する彼は、社内でも重要なポストに就いていたのですが、私の知る限りでは、きわめて安定志向の人間であり、言い換えれば「ことなかれ主義」といった人間の一人でもあったような気がします。

私たちは誰でも、自分や家族の人生が平穏無事であることを願うものですが、そうは言っても現実は厳しいもので、人生には予期しないできごとが次々と持ち上がり、自分の思い通りにはならないものです。

決して「ことなかれ主義」が悪いなどと、批判しようとは思いませんが、ひたすら何事も起こらないようにと、無事ばかりを望む消極的な姿勢は、ある意味「現実からの逃避」に他なりません。

人生の逆境時に必要な「人間力」を育てるのは、現実においての経験だけであり、それによって人は逆境に立ち向かえる筈です。

現代社会においては何処を見渡しても「安定した場所」など無いように思えますが、実際には「安定した人」という人間は存在するのです。


会社を例に挙げれば
「この人はリストラの対象にはならないだろうなぁ?」と思う人が居て、
「仮に辞めたとしても食いっぱぐれはないだろうなぁ」なんて想像する人物が、世の中には大勢居るものです。

何故ならば、その人が「会社にとって必要な人間」だから、会社がどんな状況に陥ったとしても、決して手放すことの出来ない存在だからです。

会社にとって「欠かせない」人間であり、また、顧客にとっても「必要」な人間であること。
すなわち周囲から「求められる」人間は、どんな時代においても生き残るのです。

本物の安定というものを求めるのなら、「ことなかれ主義」という間違った安定を求めるのではなく、周囲から常に求められ続ける「存在価値」を持つ人間になるための方向転換こそが、
今の時代における、より確実な「安定志向」なのではないのかな?なんて、ふと思ったオヤジなのでした。

お客様は神様

仕事先の若い男性と昼食を共にしました。

お昼時だったので、小さな定食屋さんは満席で

注文の品がなかなかテーブルに届きません。

相方の若者は次第にイライラし始めてしまい、

店内を忙しく駆け回るウエイトレスさんに

湯飲みを振ってお茶の催促をしながら

「・・・ったく、手際が悪い店ですねぇ」

と文句を言い出しました。

「ハ~イ!!」と答えたまま

なかなかお茶を持って来ない彼女に

更に腹を立てたのでしょう、

「こういう店っていうのは

従業員教育なんてしないんでしょうね」

普通、お客様は神様だと教育されますよねぇ」と

私に腹立たしそうに言うので、

「アハハ・・・確かに、客は神様だって言うよなぁ」

と笑いながら、

「ん・・・? ということは、

今はオレたちが神様だろう?」と尋ねると

「ですよねぇ!」と、得意げに答えた若者に、

「じゃあ、オレたちゃ神様なんだから

こんなことくらい許してやろうぜ」と笑ったら、

「あ・・・・・・ハイ」と、

彼は照れくさそうに笑いました。


なにか気に入らないことがあった時は、

「神様ならどうするんだろう?」と

考えてみたらいかがでしょう?

大抵のことなら笑って許せる筈だと思う

オヤジなのでした ^ ^