アクションを起こさせるためには


ビジネスにおいても私生活においても、人に何かアクションを起こさせようと思う時には、その内容が「何か」ということよりも自分と相手との深い信頼関係が一番の引き金であるような気がします。

こちらのアクションに相手がどう反応するのか?

人に何か大切なことが伝わって行くためには、とても深い信頼関係というものが必要であり、そこには相手への愛情が根底にあり、そして自分自身の誠意と熱意が伝わらなければ人を動かすことは決してできないものだと思います。

信頼関係の深さによって、どこまで人とつながれるかが決まります。

「どうしたら人を動かすことができるだろう?」なんて考えるより、

「どれだけ信頼される自分になれるのか?」を、必死で考えているオヤジです。

先入観を捨てる

ビジネスにおいて、提案やアドバイスなどをさせていただく機会が数多くあります。

そんな場合、もっとも難しいのは、私の提案を受け入れてもらうことではなく、その方の持っている、もともとの先入観を捨ててもらうことなんです。


人間というものは勝手な先入観や思い込みによって、自分自身を縛っていることが殆どですから、端から見ると、何故そんなことに?と、不思議に思うような「こだわり」を持ったり、頑なに「変化」を拒む方がいらっしゃいます。

「変わらない」ということは、ある面においてはとても重要なことですが、それは「そこに留まる」ことではありません。


たとえば「老舗」と言われるほどに永い歴史を持つ店がありますが、その店は、100年・200年ものあいだ、ずっと変化しなかった訳ではないのです。

時代に合わせて少しずつ変化することで、老舗となって行くのです。

「変わってはならないこと」と

「変わらなければならないこと」

これをしっかり考えなければ、時代の変化に取り残されてしまいます。

「刻々と変化する柔軟なこだわりを持つ」

一見矛盾しているようですが、常に「変化」と「不変」を併せ持つ柔軟な心構えと姿勢であることが、本当のこだわりなのだと私は思います。

あなたの持つ先入観や思い込みは、自分にとってそんなに重要なものですか?

それを捨てて、自由になったらどうでしょう。

きっと、あらゆることに可能性を見いだすことができる筈だと思う今日この頃です。

人格者

今朝、クライアントへ打ち合わせにお邪魔した際、こんなことがありました。

重要な書類とデータを用意するはずだった担当者から、急な熱が出て出社できないとの連絡が入ったのです。

「オマエ、なにやってんだ!! 葛西さんにわざわざ来てもらってんだぞー!!」

大声で部下を叱っていらっしゃるのを、横から電話を奪いとり「オレだったら、また来るから大丈夫!」と声を掛けると、

上司の方は私に深々と一礼をしながら

「解った・・・で、大丈夫か? 仕事のことは心配せんでいいからゆっくり休んで直せよ」と優しく言葉を添えて電話をお切りになりました。


普段から「人格者だなあ」と思っていた上司の方でしたが、やはり間違いではなかったなあ・・・と感じたものでした。

私に対する申し訳なさを前面に押し出しながらも、部下の身体を気遣うお気持ちに、一時間ほどの道のりを無駄足を踏んでしまったという、そんな気持ちをまったく感じること無く、楽しく世間話をして帰ってきたのでした。


人格者とは、なにか問題が発生した時、いかに適切な判断をすることができるのか?ということでもあると思いますが、迷惑を掛ける相手の気持ちも考慮しながら、部下の身体を案ずるということはなかなか難しいものです。

うっかりすれば、この場合私が怒り出す可能性もある訳で、まずは私に対する詫びの気持ちを最大限に表現するために、部下を大声でお叱りになったのであり、

本当は部下の身を案じていらっしゃるんだろうなぁ?という、暖かい気持ちにあふれていました。

きっと部下の方も、最初から身体を心配されたならば、「申し訳ない」という気持ちが更に大きくなったところを、最初に大声で怒鳴られたことにより、かえって安心してゆっくり休めるのではないだろうか?と感じ、

あらためて、この上司の方の対応に関心してしまったオヤジなのでした。