業界用語

私が昔から属している業界では、一日中、朝・昼・晩の区別なく、挨拶はすべて「おはようございます」です。

一般的に考えれば、深夜に会っても「おはようございます」は、かなり変な挨拶です。

私は40年以上この業界に居るのですが、この世界に入った頃は、一日中「おはようございます」と挨拶することに、少し違和感を感じたのですが、

すぐに先輩諸氏に見習い、それを「業界用語」として使うのが当たり前になってしまいました。

ところが、最近ある本の中に「何故、おはようございますなのか?」

その、答えではないだろうか?と思えるものを見つけ、40年以上経って初めて疑問を解決することができました。

一日の挨拶は三つあります。

朝の「おはようございます」

昼の「こんにちは」

晩の「こんばんは」

ところが、朝・昼・晩の挨拶の中で、

唯一「敬語表現」でのあいさつは

「おはようございます」だけなのです。

どうやら、この風習は歌舞伎の世界から始まったとの記述がありましたが、

それが確かなのかは別として、

その日に初めてお目にかかる人に対して、敬語で挨拶しようという意味で始まったものならば、これは素晴らしいことであり、

業界用語もまんざら捨てたものではないなぁ、と妙に嬉しく思ったオヤジなのでした。