年寄りの知恵

最近知り合った、87歳のおじいちゃんが居らっしゃいます。

いつもまわりの方に感謝の言葉を投げかけながら、

「おかげさまで・・・ 」と言いながら、

いつもニコニコと笑顔が絶えません。

今朝も近くを通りがかったついでに声をかけ、

少しお邪魔してお茶をいただきながら、

あれやこれやとお話をしましたが、

「アンタみたいに勉強しとらんから、

わたしゃ、な~んも知らんがね」と笑いながらも

私がこれまで何年も掛けて懸命に学んできたことを

いとも容易く、簡単な言葉に置き換えられるたびに

参ったなぁ・・・そんな簡単なことを

オレは今まで偉そうに語ってたのか・・・。と

お会いするたびに、いつも自分の愚かさに気付かされます。


これからもきっと本を読んだり

人の言葉を聞きながら学び続けようと思いますが、

知識として溜め込んでる内はダメだ・・・

年寄りの知恵となるまでに高めなくては、と

あらためて肝に銘じるオヤジなのでした。

ドラマの主人公

出張先で入った定食屋さんでの出来事。

胸に名札をつけた若い店員さんが接客をしてくれました。

名札を付けた店員が他には見当たらなかったので

新人研修中だったのかも知れませんが、

その店員さんは笑顔がとても素敵な好青年でした。


メニューがあまりに沢山あったのと、

どれも美味しそうだったので

「オススメはあるの?」と尋ねたら

「今日は○○がオススメです」

と答えてくれたんです。



ところが、そのオススメが私の苦手な魚だったので

「残念・・・オレ、苦手なんだよなぁ ^ ^;;

ちなみに○○くんは、店で何が一番好きなの?」

と、彼の胸にあった名前を呼んで尋ねたのです。



すると突然、タダの店員さんであった彼の顔が

店員としてではなく、一人の青年に変化したんです。

「そうですねぇ・・・僕は○○が好きかなぁ?」


そう答えた彼に

「じゃあ、オレもそれ食べたいな ^ ^」と笑うと

笑顔で厨房に戻って行きました。



帰りにレジで清算していると、

少し離れたところで、見ている彼に気付いたので

手招きして呼び寄せ

「ありがとな・・・美味かったわ 」と笑うと

「良かったぁ!!」と嬉しそうな顔をした彼に、

「バイトなの?」と尋ねたら

大学生でバイトをしているとのこと。


「勉強もバイトも頑張れよー!!」

と声をかけながら店を出ましたが、


深々と頭を下げながら見送ってくれた彼を、

「どうかお守りください」と神様にお願いしながら

帰路につきました。


仕事やプライベートで一歩外に出ると、

コンビニの店員さん

ショップの店員さん

レストランや喫茶店の

ウェイターやウェイトレスさん

道路やビルの清掃員さん

その他、毎日いろんな方たちと

なにげなく接触する機会があります。

自分が毎日必死で仕事をしているように、

誰もが頑張って仕事をなさっています。

時折、色んな場面で出会った人に

仕事の顔ではなく、プライベートの顔を

想像してしまうことがありますが、

みんなそれぞれの立場や境遇で

いろんなドラマの主人公として生きています。

そんな人たちとの毎日の偶然の接触は、

いつの日か、大切な出会いに結びつけるために

神様がすれ違わせて下さったのかもしれません。

だから、ほんの小さなすれ違いにおいて、

相手と自分の立場を超えて、

一人の人間として接することができれば、

きっと素敵な出会いになるだろうなぁと

ふと感じたオヤジなのでした。

男子三日会わざれば・・・

「男子三日会わざれば刮目して見よ」という
ことわざをご存知だと思います。

日々頑張って精進している人というものは、
三日も経てば大きく成長している筈だから
心して見るようにといった意味だと思います。

僅か三日とまでは言いませんが、
人というものは数ヶ月会わなければ
新たな目で見る必要があるものだと思います。

私達は自分が知る過去の尺度でしか
他者を判断しないものですが、

善くも悪くも「人は刻々と変化する」という
認識を常に持つことが必要な気がします。

私は過去を知ることによって
その人の判断材料にすることはありませんし、

過去というものは、現在の人格を形成するために
必ず必要があったものだと認識しています。

「あの人はこういう人だから」

「以前、こんなことをしたから」と

人が過去に犯した過ちを評価する人々が
なんと多いものかと嘆かわしく思います。

きっと、そんなことをおっしゃる人の多くは、
「自分が成長しない人」であるがゆえに、
他者が成長することも知らない人なのでしょう。

アイルランド出身の劇作家であり音楽評論家、
そしてノーベル文学賞も受賞した
ジョージ・バーナード・ショーも、
こんなことを言っています。

「もののわかった人間は、私の仕立屋さんだ」

「彼は、私に会う度に
いつも寸法を測り直してくれる。
他の人々は古い寸法でしか、私を判断しない」

他者やものごとに対しては敬意を持ちながら

常に新鮮な目で見つめる必要があるのでは?

と感じる、今朝のオヤジです。