素敵な妄想

家内と娘を乗せて山間部をドライブ中、

曲がりくねった山道で、後方から来た車が

対向車が来るにも関わらず、

無理矢理追い越して行きました。

危うく大事故になりそうだったため、

タダでさえ短気な私ですから、一気に血がのぼり

取っ捕まえてやろうとアクセルを踏み込んだ途端、

家内に止められました。

「きっと何かがあって急いでらっしゃるんだから

行かせてあげたら?」ってね。

実は、いつものことなんですよね。

以前、何度もこんなことがあったんですが、

その都度、家内が似たようなことを言うんです。

「大切な方が急に倒れられて、

急いでらっしゃるのかも知れないんだから」

「奥さんが急に破水して、赤ちゃんが生まれそうで

病院に向かってらっしゃるのかもしれない」

「・・・だから、行かせてあげましょう!!」って。


実際にそうであったのかは別として、

「確かに、もしそうならしょうがない・・・」なんて

妙に納得してしまいながら

結局は「事故しないで気をつけて行くんだぞー!」と、

ペダルを踏み込んだ足を戻す私なのです。

道で救急車と出くわすたびに、

ん・・・ナニをしてるんだ?と、ふと横を見れば

「どうかご無事で・・・」と

神様にお祈りしてるような家内ですから

いつも「オマエはやさしい妄想家だ」と

からかいながら笑いとばしていますが、

こんな素敵な妄想なら私も真似しなければ・・・

なんて・・・

二十歳も年下の家内に

いつも教えられてばかりの、未熟者のオヤジです。